永住申請お役立ちコラム

経営・管理ビザでの永住申請も「5年」が原則に|2027年からの注意点
- 2026年08月21日


在留期間「3年」での永住申請は、2027年3月31日が期限です。2026年2月のガイドライン改訂で経過措置に期限が設けられ、それ以降は原則として最長の在留期間(多くは5年)が必要になります。
今すぐ申請すべき人と、5年を待つべき人の違いを、永住申請専門の行政書士が解説します。
目次
2026年2月24日、出入国在留管理庁が「永住許可に関するガイドライン」を改訂しました。
これまで実務では、在留期間が「3年」の方でも、永住申請の要件のひとつである「最長の在留期間をもって在留していること」を満たしているものとして扱われてきました。つまり、5年のビザを待たなくても、3年のビザで永住申請ができました。
今回の改訂で、この取扱いにはっきりと期限が設けられました。2027年(令和9年)3月31日です。
ただ、ここで多くの方が知りたいのは「ルールがどう変わったか」よりも、「では、自分は今すぐ申請すべきなのか、それとも5年を待つべきなのか」だと思います。この記事は、その判断の手がかりを中心に整理します。結論を先にお伝えすると、答えは人によって正反対です。今動いた方が有利な方もいれば、急がない方が安全な方もいます。
そして、もう一点お伝えしておかなければならないことがあります。この記事を書いている2026年半ばの時点で、期限まではすでに1年を切っています。永住審査には相応の時間がかかるため、「3年ビザで今のうちに申請する」という選択肢を考えられる残り時間は、思いのほか限られています。詳しくは後ほど触れますが、当てはまりそうな方は、できるだけ早く見極めることをおすすめします。
(1)判断に入る前に、最低限の前提だけ確認します。
(2)永住申請の要件のひとつに、「いま持っている在留資格について、最長の在留期間をもって在留していること」があります。技術・人文知識・国際業務、経営・管理など、多くの在留資格では最長の在留期間は「5年」です。本来であれば、永住申請には5年のビザが必要ということになります。
(3)これまでは「3年」でも最長として扱われてきましたが、今回の改訂で次のように整理されました。
(4)これは特定のビザだけの話ではなく、最長が5年であるすべての在留資格に共通します。技術・人文知識・国際業務も、経営・管理も対象です。
(1)「2027年3月31日までに出せば間に合う」と理解されがちですが、ガイドラインの条件はもう少し厳しく、ここが判断の分かれ目になります。
(2)2027年3月31日の時点で在留期間「3年」を持っている方について、その永住申請が、その3年の在留期間内に結果(許可・不許可)を受ける場合、初回に限り「最長の在留期間をもって在留している」ものとして扱う、とされています。
(3)つまり、次の二つを両方満たす必要があります。
(4)永住審査には近年おおむね9〜10か月かかっています。出入国在留管理庁が公表する「在留審査処理期間」では、永住者の許可までの日数は直近の令和8年3月許可分で約282日、月により280〜295日程度で変動しています。なお、この公表値は全国の地方入管を合わせた平均で、しかも許可になった案件のみを集計したものです。申請が集中する東京出入国在留管理局では、これより大幅に長く、1年〜1年半程度かかるケースも珍しくありません。ですから「3月31日までに提出する」だけでは足りません。審査にかかる時間を逆算して、結果が自分の3年ビザの有効期間内に収まるかを確認する必要があります。提出が遅れ、審査の途中でビザの満了が来て更新を迫られると、この措置は使えなくなります。
この逆算は、期限まで1年を切った今、特に重要になります。審査に約10か月かかることを踏まえると、結果を期限内に受け取れるかどうかは、ご自身のビザの満了日を基準に確認する必要があります。これから準備を始める場合、時期や状況によっては間に合わないこともあります。3年ビザでの申請を検討しているなら、早めにご自身の日程を確認しておくことをおすすめします。
(5)①・②とは別に、もう一点ご注意いただきたいことがあります。この措置の対象は、あくまで2027年3月31日の時点で持っている「3年」の在留期間です。2027年4月1日以降の更新で新たに「3年」を付与された場合、その新しい在留期間には、この措置は適用されません。「不許可になっても、更新してまた申請すればよい」とはいかない点に、特にご注意ください。(なお、この点 ― とくに「永住審査中の2027年4月1日以降に在留期間の更新許可を受け、ふたたび『3年』を付与された場合」の取扱い ― については、ガイドラインの文言が明確でなく、複数の読み方ができてしまいます。入管庁はまだ詳しい運用基準を示していません。本記事は、ガイドラインの文言にそった最も安全な理解を前提としています。この論点は別の記事「審査に約1年 ― 3年ビザでの永住申請は逆算して動くべき理由」で詳しく整理していますので、あわせてご確認ください。ご自身のケースの見通しは、念のため管轄の地方出入国在留管理局でもご確認ください。)
(6)審査期間の逆算については、別の記事「審査に約1年 ― 逆算して動くべき理由」で詳しく解説しています。
(8)一度不許可になると、この措置はもう使えません。「とりあえず出してみる」という戦略が通用しない、一度きりの措置だとお考えください。
(9)この二つの条件があるため、「条件が十分に整っているかどうか」で、取るべき行動が変わってきます。
(1)ご自身がどちらに近いか、当てはめてみてください。
(2)要件がきれいに整っていて、迷う要素が少ない方です。具体的には、次のすべてに当てはまるイメージです。
(3)こうした方は、ビザが5年に上がるのを待つ理由がほとんどありません。待つほど、5年への更新を待つ時間だけ永住取得が遅れることになります。措置が使える今のうちに、3年のビザで申請する方が合理的です。
(4)要件に不安や弱点がある方です。たとえば次のようなケースです。
(5)こうした方が、準備不足のまま「一度きり」の措置を使うのはおすすめしにくいところです。不許可になれば、その貴重な一回を失ってしまうからです。それよりも、いったんビザを5年に更新し、弱点を整えてから万全の状態で申請する方が、結果的に確実なことがあります。
(6)特に経営・管理の方は、事業の状況の確認に時間がかかり審査が長引きやすいため、①の「有効期間内に結果が出るか」の見極めも、より慎重に行う必要があります。(経営・管理については別の記事「経営・管理ビザでの永住申請も「5年」が原則に」で詳しく解説しています。)
(1)最後に、誤解の多い点をはっきりさせておきます。
(2)今回の措置が関わるのは、「在留期間が3年か5年か」という要件だけです。
(3)永住申請には、これとはまったく別に「原則10年の居住」という要件があります。今回の措置は、この10年の居住年数をゆるめるものではありません。
(4)「3年のビザでも申請できる」ことと、「日本に10年住んでいること」は別の話です。居住年数がまだ足りない方は、措置の期限とは関係なく、まずその要件を満たす必要があります。ここを混同すると判断を誤りますので、ご注意ください。
今申請すべきか、5年を待つべきか。その答えは、お一人おひとりの在留状況・納税状況・書類の整い具合によって変わります。一般論で「急ぐべき」とも「待つべき」とも言いきれません。
制度が変わるこの時期だからこそ、焦って動くのでも、漠然と先延ばしにするのでもなく、ご自身の状況に最も合ったタイミングを、できるだけ早く見極めることが大切です。
当事務所は永住申請を専門に取り扱っており、ご相談から、申請時期の見極め、要件の確認、必要書類の整理、申請手続きまで一貫してサポートしています。「自分はどちらに当てはまるのか」を確認したい方は、お気軽にお問い合わせください。
| 2018年8月 | ビザ申請・帰化申請専門の「ゆだ行政書士事務所」設立 |
|---|---|
| 2022年4月 | 個人事務所を行政書士法人化「行政書士法人タッチ」 |
| 専門分野 | 外国人在留資格、帰化申請 外国人ビザ関係を専門とし、年間1000件以上の相談に対応 |
| セミナー実績 | 国際行政書士養成講座、公益財団法人戸田市国際交流会、埼玉県日本語ネットワーク、行政書士TOP10%クラブ、行政書士向け就労ビザ講習会など多数 |
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